感鍼祭
古来より日本では、裁縫などで使用した針に感謝を込めて、
毎年2月8日に神社などで「針供養」が行われています。
このイベントは、普段硬い物に刺している針を、
この日くらいは 豆腐や蒟蒻などの軟らかい物に刺して針の労を労うというものです。
裁縫を行っている方と同様に、鍼を日常的に使用しているのが鍼灸師です。
当校では毎年2月の第1火曜日に1・2年生を対象に感鍼祭を開催しています。
衛生上の観点から現在は使い捨て「鍼」が標準になっています。
しかし四半世紀前までは滅菌した鍼を繰り返し使用していた時代がありました。
料理人が包丁を大事に扱うのと同等に、その当時、鍼灸師も仕事道具の1つとして鍼を大切にしていました。
鍼灸が盛んに行われている中国や韓国などでは、この様なイベントは行われていません。
日本人の、古くから「物や道具を大切にしよう」という文化から始まった日本独自の行事です。
以前に比べると鍼の値段が下がり、新しい道具を安価に購入できる時代になりつつあります。
今一度「鍼」への感謝を改め、道具を丁寧に扱える心を持って日々の鍼灸治療にあたれる医療人になっていきましょう