産後ケア×鍼灸



■産後の肥立ち
妊娠、出産によって母体は大きく変化します。

この大きく変化し、負担のかかった身体や心が、産後、妊娠前の状態に回復していくことを「産後の肥立ち」といい、およそ6週間~8週間かかるといわれています。いわゆる「産褥期」とよばれる時期です。

その期間には、大きく膨らんでいた子宮が元の大きさに戻る「子宮復古」や、傷ついた産道や子宮からの出血を含む分泌物、悪露(おろ)の排出などを経て回復していきます。

「産後の肥立ちが良い、悪い」という言葉を耳にすることがありますが、その違いは、その人の治ろうとする力、すなわち自己治癒力の強さによるのです。

 


 


■産後に起こりやすい症状

産後は、出産による体力の消耗、ホルモンバランスの変化、出産時の出血や哺乳による血液不足などのため、様々な症状が生じやすくなります。

例えば、頭痛、めまい、動悸、冷え、抜け毛などの身体的な症状や、マタニティーブルーや産後うつといった精神的な症状がみられます。

育児中には、授乳や抱っこ姿勢による腱鞘炎や首肩のこり、背腰部の痛み、寝不足による疲労、慣れない育児への不安やストレスによるイライラや気分の落ち込みなどがみられます。

免疫力が低下することで、産褥熱や乳腺炎といった感染症にもかかりやすくなります。

昔は母体の体力回復のため、「床上げ」までの産後1ヶ月くらいは布団を敷きっぱなしにしていました。

しかし、現代では近くに頼れる人がいないなど、産後すぐに、家事も育児も自分でこなさなければならない状況に体調管理は後回しになってしまいがちです。

 


 


■産後ケア×鍼灸

東洋医学の特徴のひとつに「自己治癒力」を高めることがあげられます。

首肩のこり、背腰部の痛みなどに対し、鍼灸治療が効果的であることはイメージしやすいと思いますが、産後、早い段階から鍼灸治療を行うことで次のような効果があります。

①悪露(おろ)の排出が促進される

②子宮復古がスムーズになる

③ホルモンバランスをはじめ全身の状態が整う

・・・など、その後の体調の回復が早くなることがわかっています。

また、鍼灸治療によって気分をリラックスさせる「エンドルフィン」や「エンケファリン」などのホルモンが分泌されることも明らかになっています。

身体的な症状と精神的な症状の両方を合わせて改善できるのが鍼灸治療のよいところです。

最近では、がんばっている自分へのご褒美として美容鍼灸を受けられる方も増え、お母さんは産後ケアを、子どもは小児鍼を、というように一緒に鍼灸治療を受けられることも増えているようです。

 

 

 

池田 朋子 (→池田先生の紹介はコチラ!)  

 

 

 

 

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