- 崔 衣林 さん
神戸東洋医療学院
東洋医学総合コース 卒業
天津中医薬大学 本科 卒業
天津中医薬大学 修士課程 修了
北京中医薬大学 博士課程
鍼灸師を目指す・中国留学へのきっかけ
鍼灸師を目指したきっかけは?
高校生で進路に悩んでいた頃、神戸東洋医療学院の卒業生である中国の先生と出会い、恩師であるその先生は当時から鍼灸と漢方を使って西洋医学では治らない難病を治療しておられました。
恩師のもとで病院では治らない病気とも向き合う「東洋医学」を初めて知り、自分も恩師のようになりたいと東洋医学を学ぶことを決心しました。
そして鍼灸治療は自分の手で患者さんを治療できるところにも魅力を感じました。
中国に留学しようと決意したきっかけは?
3年生の時に留学コースに参加するか迷っていたのですが、当時中国に留学していた先輩の丁寧なアドバイスやfacebookの写真を見て、今後一生続けていく鍼灸の根本である「中国鍼灸」を一目見てみたいと思い留学を決意しました。
中国での生活・留学を通しての経験
実際に留学してみていかがでしたか?
日本の鍼灸には様々な流派があり、いろんな視点から治療法を学ぶことは良い事だと思いますが、どの流派にすればいいか迷ってしまうこともありました。留学先では、世界各国の留学生とともに世界基準の鍼灸や漢方を学ぶことができます。
世界基準の治療を知ることで基礎を固め、中国の治療法と日本に多数ある流派を吸収できるベース作りができたと思います。
語学に不安はありませんでしたか?
語学は難しいですね。初めて北京空港に着き日本語が聞こえなった時は、自分が押しつぶされるくらい不安でした。北京空港から天津に着くと、神戸東洋の先輩や日本の留学生たちが暖かく迎えてくれ、不安はすぐに吹っ飛びました。
その後すぐに病院実習に参加したのですが、現地の人の中国語は語学の先生とは違い、とても早く全然わかりませんでした。しかし、先生の鍼灸治療は、言葉がわからなくてもツボがわかれば理解できるので、当初から非常に勉強になりました。
中国の方たちはフレンドリーで研修医や大学の研修生も筆談で患者さんの状態や治療方法を教えてくれ、また患者さんたちは日本人が来たと喜び、毎日言葉をしてくれ、毎日発音を訂正してくれました。
天津中医薬大学では日本語のできる先生はたくさんいらっしゃり、学生窓口では日本語で対応もしてくれます。主に学校の手続きや寮の手配などについて窓口でサポートを受けましたが、美味しいレストランがどこにあるか聞きに行ったこともあります。
中国留学中の生活はどんなものでしたか?
中国では数年前と比べ、環境や空気もきれいになりました。現在の大学付近ではカフェやファーストフード店、コンビニ、スーパー、銀行や郵便局、また日本人が経営する日本食店や美容院なども多く生活のしやすい環境になっています。
大学には学生食堂があり、味も美味しく値段もお手頃です。例えば、牛肉ラーメンが5元(83円)で、一食の食費はだいたい5~15元(83円~250円)です。
1日40元(670円)で計算すると、月1200元(2万円)で充分な生活ができます。交通機関の料金は、タクシーの初乗り8元(130円)、バスは2元(33円)、地下鉄は2元(33円)と、非常に安いです。
※金額は2017年11月現在のレート
※天津中医薬大学は2018年に新しい校舎に移転
中国留学を経て
今はなにをされていますか?
現在は中国に滞在し、天津・北京を拠点に勉強を続けながら活動しています。
今後日本で鍼灸治療をしていくには、やはり日本人にあった治療が必要です。したがって今は中国で学んだ世界基準の鍼灸と漢方をベースとして、日本の流派をはじめ様々な治療法を学び、自分の治療法を構築しています。
その他、神戸東洋医療学院の現地スタッフとして短期研修・研修旅行などで通訳や留学生のサポートをしています。
Message
併修コースで留学を目指す方へのメッセージをお願いします
国際化が進む現代で、私達は世界基準の中医学を学ぶことができます。そして専門知識を活かして世界で活躍することができます。
まず、世界への第一歩は外に出てみることだと思います。私がこの第一歩を踏み出すことができたのも神戸東洋医療学院の先生方や先輩からのアドバイス、中国渡航におけるサポートがあったからこそです。
その恩返しができるように、次は私が現地スタッフとして中国留学をする皆さんのサポートができればと思います。