◎ 第14回天津中医薬大学特別講座メインテーマ
『東洋医学で診る小児疾患 ―鍼灸・推拿・小児はりの臨床応用―』

座 長
谷本 篤志(中医研究会 副代表)
はり・きゅう 和み座 座長
座長挨拶
本講座では「東洋医学で診る小児疾患―鍼灸・推拿・小児はりの臨床応用―」をテーマに、東洋医学における小児科の臨床を学びます。
中国からは天津中医薬大学の李華南先生をお迎えし、推拿や刮痧などを活かした小児臨床の実際をご紹介いただきます。
日本からは鳴島友理先生が、小児はりの基礎と応用を豊富な症例とともに丁寧に解説くださいます。
いずれの講演も理論と臨床の両面を深く学ぶ貴重な機会となります。
ご参加の皆様には、本日の講座で得た知識を臨床に活かしていただきたいと願っております。
また、東洋医学の豊かな可能性を多くの一般の方も理解していただき、その普及へ繋げていく機会となることを期待しております。伝統医術が子どもたちの健やかな成長を支える礎となるよう、共に学びを深めてまいりましょう。
◎ 講演内容
» 第1部 『中医外治法の小児臨床における実践応用』
講師:李華南
天津中医薬大学第一附属病院医務処長、推拿科副主任、副主任医師
講座では中医学の外治法が小児の一般的な疾病でどの様に実践応用されるかを講演します。風邪、発熱、筋性斜頸、消化不良、食欲不振などの小児科の一般的な疾患に焦点を当て、典型的な症例を用いて、鍼灸、推拿、刮痧などの中医学の外治法による施術の利点、適用段階、部位の選択、および手技の要点を解説します。
さらに、中医学の外治法が患児の呼吸器症状の軽減、筋症状の改善、胃腸機能の調整、食欲の増進などにどのよう対処するかを示し、安全で効果的な個別診療の実現方法を紹介します。
» 第2部 『小児に対する鍼灸治療の基礎と臨床的応用 〜小児はりの実際〜』
講師:鳴島 友理
近藤治療院 鍼灸部 院長
本講座では、小児を対象とした鍼灸治療、いわゆる「小児はり」について、その基礎と臨床応用に関する内容を報告いたします。夜泣き・疳の虫・チック症・便秘・アレルギー性疾患など、小児に多くみられる症状に対する小児はりの実際の治療方法とその効果について、症例を交えながら説明いたします。
実技供覧では、皮膚接触による小児はりの基本手技、ならびに子どもに喜ばれる施術方法をご紹介いたします。
◎ 詳細
当日スケジュール
12:30~ | 受付 |
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13:00~14:30 | 第1部 中医外治法の小児臨床における実践応用 李華南先生 |
14:40~16:10 | 第2部 小児に対する鍼灸治療の基礎と臨床的応用 〜小児はりの実際〜 鳴島先生 |
16:20~17:30 | 実技実演 小児推拿/小児はり |
17:30~18:00 | 合同質疑 |
18:00 | 終了 |

第1部 講師
李 華 南(り かなん)
天津中医薬大学第一附属病院医務処長、推拿科副主任、副主任医師、副教授、碩士大学院生指導教官
天津市131人材プロジェクト第三層人材、天津市青年医学新鋭、第七期全国老中医薬専門家学術経験継承者
世界中医薬学会連合会手技専業委員会副会長、中華中医薬学会推拿分会副秘書長
天津市中医薬学会推拿専業委員会主任委員、国家級無形文化遺産津沽臓腑推拿第五代継承者
- 専門分野 -
鍼灸や推拿を主とする中医学の内外兼治法を用い、小児の筋性斜頸、消化不良、脊柱側弯、チック症などの一般的な疾患の治療。痙攣性斜頸などの筋緊張障害の難治性疾患の診療において独自の知見を持つ。
- 研究実績 -
主導した各レベルの研究課題54件。その内、国家自然科学基金研究3件、天津市海河実験室重大プロジェクト1件、天津市科学技術革新基地建設プロジェクト1件、天津市科学技術局科学普及プロジェクト1件、庁局級研究課題6件、国家科学技術重大プロジェクト1件。国家指定教材および学術著作22部を編纂し、SCI掲載の学術論文を30篇以上発表。

第2部 講師
鳴島 友理(なるしま ゆり)
近藤治療院 鍼灸部 院長
- 略歴 -
平成16年はり師・きゅう師厚生労働大臣認定資格取得
岡山市でマッサージ師の父親と共に「近藤治療院」の鍼灸部で鍼灸師として、地域の親子支援のため働く
「近藤治療院 鍼灸部」は開業17周年
大師流小児はりの会 初級・中級・上級課程修了
認定子育てハッピーアドバイザーHAT認定資格取得
東京スキンタッチ会運営
子育てサポートコミュニティ「孤育てリボン」運営
小児はりジャパンツアー運営
保育園、放課後等デイサービス、子育て支援拠点などで訪問施術・講座活動も定期的にしている
日時 | 2025年11月9日(日) 13:00~18:00 |
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申込締切日 | 2025年11月5日(水) 17:00まで |
会場 | スペースアルファ三宮 中会議室1-⑤ |
定員 | 50名 ※キャンセルされる場合は必ず前日までにご連絡ください |
参加費 | 一般 10,000円 学生 5,000円 神戸東洋医療学院OB天馬会会員 5,000円 |
主催 | 神戸東洋医療学院 孔子課堂 |
共催 | 天津中医薬大学(本校・神戸校) |
協賛 | セイリン株式会社 株式会社タフリーインターナショナル |
後援 | 神戸東洋医療学院 OB天馬会 |
協力 | 神戸東洋医療学院 中医研究会 |
申込 | 神戸東洋医療学院 総合受付 下記フォームよりお申し込みください。 |

中医研究会 代表
福家 慎太郎
神戸東洋医療学院 副学院長
天津中医薬大学 鍼灸推拿学院 神戸校 副校長・教授
神戸東洋医療学院 孔子課堂 課堂長
小児は成人に比べ刺激や負荷に弱い存在です。逆に言うと成人に比べてとても敏感です。その上、発達途中の身体とあって、とても素直な反応を示してくれます。楽しければ大声で笑い、悲しければ大声で泣くのもそのためです。故に鍼灸の施術においても弱刺激で十分効果を出せるのです。
中国では手を使った小児推拿や刮痧として発展し、日本では刺さない鍼「小児はり」として発展しました。小児治療について両国の違いや共通点を学ぶ良い機会になると思います。
また、小児は治療の選択を自分ではできません。どのような治療を受けるのか決めるのは親となります。「自分の子どもには薬品を出来るだけ使いたくない。」その訴えは21世紀になりとても大きくなってきました。広く小児への薬に頼らない施術法を知ってもらい、延いては親御さんの心や身体へのケアに繋げられるよう是非一緒に勉強しましょう。
子どもは国の宝、そして将来の鍼灸ファンと成り得る存在です。最前線の知見や技術を学べる一日になるよう最善の準備を進めてまいりますので、多くの方々にご参加いただきますようお願い申し上げます。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
⇒中医研究会の詳細はこちら
◎ 過去の特別講座
- 2013年度 「不妊治療」
- 2014年度 「中医美容とは」
- 2015年度 「中医学の痛証 ~痛みの鍼灸治療~」「鍼灸と漢方の連携 ~中医弁証を橋渡しに~」
- 2016年度 「経外奇穴の臨床応用」「頭鍼・木本式鍼灸臨床実技」
- 2017年度 「中医腹診と腹鍼」「李杲脾胃論の応用」
- 2018年度 「鍼灸時間治療」
- 2019年度 「いま、あらためて『養生』を考える。最新 養生術」
- 2020年度 「コロナウイルス禍で考える鍼灸治療による免疫力」
- 2021年度 「灸法を活用する」
- 2022年度 「鍼治療の臨床適応症と薬膳療法」
- 2023年度 「美を追及する~美と健康を促進する鍼灸術~」
- 2024年度 「超高齢化社会に対応する鍼灸治療」