神戸東洋医療学院 理事長からのご挨拶
鍼灸医学は世界各国に広がっており、西洋医学を補完する医学としてその地位は年々高まっています。そこで当学は「天津中医薬大学 鍼灸推拿学院神戸校」を設立し、日本の鍼灸教育と、中国の伝統的な鍼灸術や手技療法(推拿術)を含めた中国の伝統医学を同時に継承する「併修コース」を誕生させました。当学は開校時より、天津中医薬大学と教育提携を結び、日本で初めて中国の大学の日本誘致を成功させました。「天津中医薬大学 中医薬学院 日本校」は文部科学省の指定大学となり、そして今、新たに「天津中医薬大学 鍼灸推拿学院 神戸校」として再出発します。これまでの実績がある当学だからこそ出来る教育プログラムの誕生です。日本にいながらにして、本場中国の伝統医学教育を受講できる「併修コース」で、鍼灸・推拿・漢方 に精通した中医学のスペシャリストを育成して参ります。
鍼灸医学の世界基準は中国伝統医学(中医学)になりつつあります。中国政府は、中医学の国際化推進を目指し、国際標準化機構(ISO)に中国の医療標準を国際標準にするよう提案しました。日本の鍼灸学校も世界の潮流を見て、遅れをとらないようにしなければいけません。日本の伝統医学としての鍼灸学を守りつつ、国際化推進にも努力するべきです。日中の伝統医学を洗練した形で統合教育を実践することは、国際化において重要な役割を担います。「天津中医薬大学鍼灸推拿学院 神戸校」では、鍼灸師の国家試験終了後に病院実習をカリキュラムに取り入れています。これまでの日本の鍼灸学校には無い試みです。世界でも有名な天津中医薬大学の附属病院で鍼灸実習を行うことで、より臨床力を高めることが出来ます。
日本において、東洋医学のスペシャリストである鍼灸師は、この10年間で資格取得者数が大幅に増加しました。西洋医学を補完する医学として、鍼灸師の活躍の場も広がってきております。教育水準の向上に努力することは、日本における東洋医学の発展に重要なことです。 和魂漢才。そして、温故知新により新たな鍼灸師を神戸・天津から輩出いたします。より多くの方々に鍼灸医学の恩恵が広がることを期待しております。
2017年11月17日