特別研究生レポートの中身その①:鍼灸への助成金の効果の検証
3年生の特別研究生、瀬戸大喜さんによる特別研究生日誌をお送りいたします
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みなさん、こんにちは。特別研究生の瀬戸大喜です。
前回のブログから随分と時間が経ってしまいました。
さて、今回のテーマは年始に書いた特別研究生レポートの中身に触れていこうというもの。レポートの目標は学術論文に仕上げること。
先日先生とも打ち合わせができて、「このまま来年度の全日本鍼灸学会でのポスター発表を狙おう!」と勢いづいているところです!
先行研究を読みながら、「論文になりそうかなー」というテーマを3つに絞りました。
その内の一つが「鍼灸への助成金の効果の検証」でした。
以下、僕のレポートを一部抜粋していきます。
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鍼灸を広めたいと考えた時「鍼灸は費用がどのくらいかかるかわからないから受けない。」と考える未受療者の存在や鍼灸を受療したものの中断する理由として「治療費が高すぎる」と挙げる国民が一定数存在すること3)を忘れてはならない。その対策としてまず考えられるのは「公的な制度による助成」ではないだろうか。助成が広まれば、「費用の高さ」を理由に鍼灸を諦める患者が減らせることは想像に難くない。しかし、助成する保険者は、その費用に対して効果が期待できなければ助成金を今以上に割く判断をすることは難しいだろう。(中略)今回注目したいのは、各自治体(市町村)が実施している「助成制度」だ。自治体毎に年間一人当たりの最大助成額が異なることに注目し、その効果を検証した研究がある。
宮崎らの報告7)によると、福岡県内85の自治体において、鍼灸療法に対する最大助成額と平均寿命には有意かつ正の相関がある。最大助成額と死亡率・医療費には有意かつ負の相関があるとされる。この報告が全国の自治体に当てはまるかどうかは引き続き検証が必要だが、自治体が鍼灸治療に対する助成の是非及び助成額を考える際、参考にできる結果である。
参考文献
3)矢野忠ら「国民に広く鍼灸医療を利用してもらうためには今、鍼灸界は何をしなければならないのか その3」(2005)医道の日本,pp.125-130
7)宮崎彰吾ら「鍼灸療法に対する公的な助成金額と平均寿命との関連性」(2012)全日本鍼灸学会雑誌,pp.226-234
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この先行研究から見えてくる事実をすごいと思いませんか!!!
つまり、自治体独自でやる鍼灸治療への助成金額を増やせば、平均寿命は延び、逆に医療費や死亡率は低くなる可能性があることを示唆しています。
この研究をされた宮崎先生の着眼点は本当にすごいなぁ…とただただ驚嘆するばかりでした。
今のところこの研究に近い日本語論文は数少ないため、同じ様式の研究を兵庫県内で調査したいなぁと考えているところです!
どんな結果がでるかなぁ…ワクワクしますね!
次回は「特別研究生レポートの中身その②:信頼関係が地域医療への参加に及ぼす影響」です!
乞うご期待!
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