第94回中医研究会
皆さん、こんにちは!
6月9日(土)、第94回中医研究会が開催されました
最初は竹本喜典先生による『飲食 万病回春』です。
(回春=春が巡ってくる、転じて万病回春=病が癒えるの意)
万病回春は中国明代に記された医学書で日本でも江戸時代に多くの医師に読まれ、
医学者岡本一抱により『万病回春病因指南』が記され、日本の医学に影響を与えたと言われています。
今回はその中から、これからの季節に関わりの深い「脾胃」=「飲食」についてお話いただきました
食欲不振や吐き気、お腹がはったような感じなど、いわゆるお腹の調子が悪い(消化吸収が上手く出来ていない)ときに
どのような生薬、漢方が使用されるか、どのような効果があるのかについてご紹介いただき、
その代表でもある「焦三仙」の試飲をしました。
同じ症状であっても、原因によって使用されるものは異なるため、症状についてお話を伺うだけでなく、
脈の状態など体に表れてくるサインから最適なものを使用し、身体にとってより自然な形で快方に向かうよう考えることが必要だと感じました
また私達が思い浮かべる「漢方薬」でなくとも、食事と生薬の組み合わせや生薬の香りの力を利用することなど、
生活に取り入れやすい方法もご紹介いただいたので、帰宅の際にスーパーで香辛料を買ってみました
どのような変化が起こるか楽しみです
次に李悦先生による『大気理論及び臨床応用』です。
正直なところ、大気という言葉は学校では習った覚えがなく、大気とは?からのスタートでした。
大気とは「胸中にあり、呼吸において大切な役割を担い、肺を外から包み込んで支えているものの、喉には通じていない」というものだそうです
中医学を学んでいると、西洋医学的な説明が難しい概念や言葉に度々出会います。
その存在自体が目に見えず、あるのかどうかも科学的には証明されていない「何か」について理解することは難しく、
絶対的に正しい答えがあるのかどうかも分からず、戸惑うこともあります。
ただ、学生生活の中で1年生で全く理解できなかったことが3年生になって何となく輪郭がつかめるようになったりすることがあったように、
今後臨床を通して、大気の存在を思い浮かべる機会があるかもしれないと思うと楽しくなってきます
西洋医学的には証明されていないけれど、中医学では説明ができる、だから、鍼灸治療ができるという中医学の難しさと面白さを感じた時間でした。
その後の実技では、「飲食」「食滞」によく使うツボとして、中脘・足三里・内関などの触診や取穴、刺鍼を行いながら、
臨床の際の考え方、鍼灸治療のすすめ方やつぼの選び方について聞かせていただき、
中医学の考え方、一本の鍼がもたらす身体の変化を丁寧に大切にすることを忘れず、勉強を続けていきたいと思いました。
22期生 S
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