第11回 天津中医薬大学特別講座を終えて
去る11月6日(日)、第11回天津中医薬大学特別講座が行われました。
新型コロナウイルス感染症の影響で国際間でのイベントは、先生に来日していただいての講演は難しく、
中国とWEBを通しての講義となりましたが、天津中医薬大学鍼灸推拿学院神戸校を開校して以来、
中国天津から講師派遣として中医学専門の本場の教員が常駐しています。
この特別講座では、毎年「中医研究会」のメンバーや学院広報など様々な意見を参考にしながらテーマを決めています。
また、メインテーマに沿って中国の発表者と日本の発表者を迎え、より幅広く鍼灸を理解していくことを目的としています。
【第一部:中国における鍼治療の臨床適応症】
講師:温 景 栄(おん けいえい)先生
天津中医薬大学 鍼灸推拿学院 准教授・副主任医師
(師:石学敏中国工程院院士)
【第二部:鍼灸師のための薬膳療法】
講師:黒川 眞妃子(くろかわ まきこ)先生
国際ウエルネス薬膳協会 代表理事
今年は、昨年好評であった「灸」の発展史や施灸応用の「鍼」バージョンをということで、
中医施鍼の近現代における発展や応用をテーマに、第一部「中国における鍼治療の臨床適応症」として、
最新の新型コロナウイルス感染症への応用も含めて、天津中医薬大学本校の
鍼灸推拿学院准教授・副主任医師の温景栄先生に講演いただきました。
実技の実演におきましては、「温通法」の基本的な手技に加え、日本ではなかなか見ることのできない
「過眼熱鍼法(かがんねっしんほう)」「穿胛熱鍼法(せんこうねっしんほう)」「通督熱鍼法(つうとくねっしんほう)」
「周天熱鍼法(しゅうてんねっしんほう)」「老駱拉磨法(ろうらくらまほう)」「二龍戯珠法(にりゅうぎじゅほう)」
「喜鵲登梅法(きじゃくとばいほう)」「金鉤釣魚法(きんこうちょうぎょほう)」「白蛇吐信法(はくじゃとしんほう)」
「怪蟒翻身法(かいぼうはんしんほう)」といった特殊鍼法を、参加者に体験も含めて堪能していただきました。
では、日本バージョンはどうするかと思案したのですが、まだまだ鍼の近現代史において学術的な整理がつく状態ではなく、
体系の研究論文も乏しいことから、別途、鍼灸師に役に立つ実践的な知識を学習してもらう方向となり、
第二部は、「鍼灸師のための薬膳療法」として、体質改善の実践知識という事で「身近な食材を使った薬膳」をテーマに、
手軽に美味しく薬膳を指導してくださる、国際ウエルネス薬膳協会代表理事の黒川眞妃子先生に講演いただきました。
最後になりましたが、初回からお世話になっております株式会社タフリーインターナショナル様、
並びに今回よりご協力いただきましたセイリン株式会社様に感謝いたします。
次回は、年々ニーズの高まる「美容」をテーマとして、中国ならびに韓国の美容鍼灸を
中医師と韓医師をお招きして紹介できればと思案しております。是非ご参加ください。
神戸東洋医療学院 副学院長 福家慎太郎
それでは、当日参加した方よりレポートを頂きましたので、ご紹介させいて頂きます
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私は現在リハビリの仕事をしており、今まではいわゆる西洋医学を学んできました。
この春から東洋医学を学び始め、その世界観の素晴らしさを感じてきました。
そんな中で、今回初めて鍼灸の勉強会に参加させて頂き、改めて興味深い世界だなと肌で感じることができました
中国の長い歴史の中で、考えに考え抜かれた手技の数々や、東洋医学の思想に裏打ちされた漢方の効果などを体験し、
私もさらにさらに深く勉強していきたいと思うことが出来ました
この先の高齢化していく日本で、必ず必要とされる医学であろうと思いました。
1年生夜間部 中西
11月6日に第11回天津中医薬大学特別講座が開催されました。
次の日が立冬とは思えない晴天の爽やかな日でした
お目当ての講座は、『鍼灸師のための薬膳療法』〜知って得する薬膳知恵袋〜
講師は、国際ウエルネス薬膳協会 代表理事 黒川眞妃子先生です。
講義は、薬膳とは…から始まり、気虚、血虚に対する薬膳料理の実演会や試食もありました。(実は試食を楽しみにしてました)
講義の中で、薬膳を食生活に取り入れる上で大切なことは、それぞれの食材の効果を理解することです。
普段食べている食材の一つ一つに効果があります。例えば、ネギやショウガ、唐辛子などには体を温める効果があり、
風邪や冷え性への効き目が期待されます。また、大根などは、すりおろしてゆっくり飲めば喉の痛みや熱をとってくれます
これからの季節に知っておけば役立ちます
また、食べたいものが、今の自分に足りないものだという事…なる程です。
基本の効果を理解すれば、身近な食材で十分薬膳を取り入れることができること、
日常生活で薬膳を取り入れるのは、難しいことではないんだなぁと…とても身近に感じました
楽しい講義を聞き、お腹も満たされて、素晴らしい一日になりました。
2年生夜間部 森本
11月6日に第11回天津中医薬大学特別講座に参加させていただきました。
今回は第1部講演を温景栄先生、第2部講演を黒川眞妃子先生にご教授いただき大変勉強になりました。
座学第1部は温先生の「中国における鍼治療の臨床適応症」でした。
まず初めに、鍼灸適応症を解説していただき、その次に代表流派を紹介していただきました。
家伝的な伝統ある鍼法や近現代の鍼法など、本当に様々な手技理論が研究・実践されていることを学びました。
特殊鍼法の紹介では、温通鍼法から始まり、様々な手技を紹介していただき、
是非実際の臨床で使ってみたいなと思う鍼法ばかりでした
最後には、新型コロナウイルス感染症への鍼治療の応用を解説していただきました。
普段の臨床の中でも、コロナ後遺症の相談を受けることもあるので、早速応用させていただきます。
座学第2部は黒川先生の「鍼灸師のための薬膳療法」でした。
まず初めに、薬膳の基礎知識をご教授いただき、五性や五味に対応した食材ならびに薬膳例をご紹介していただきました。
次の体質別薬膳・症状別薬膳は実際に気虚(ききょ)や血虚(けっきょ)に対する薬膳レシピ、
また月経痛に対応したレシピなど、患者さんに合わせて説明しやすいレシピだなと思いました
黒川先生の薬膳は、普段買い物に行く、スーパーで売っているような食材を使ったものなので
気軽に患者さんにも紹介でき、自分でも試せるものばかりで早速取り入れようと思います。
鍼の実技では、温先生から紹介していただいた鍼法を、天津中医薬大学本校より派遣で来られている
学院の先生に実際に行っていただき、目の前で手技を学ぶことができました。
特殊な鍼の打ち方・手技もありましたが是非チャレンジしてみたいものばかりです
薬膳の実演では、黒川先生のご説明を聞きながら、シェフの方が実際に薬膳を作っている所を見学させていただきました。
薬膳の個人的なイメージは、少し食べにくい料理なのかと思っておりましたが、
作り始めた途端、よい匂いが部屋中に広がり、出来上がりも是非食べてみたくなるような香り・見た目でした。
最後に、実際に作っていただいた薬膳を試食させていただき、どの料理も食べやすく
しかも美味しいと心も身体も楽しくなるような時間でした
天津中医薬大学特別講座には、毎年参加させていただいておりますが、
毎回違う知識を紹介していただき、また臨床で使えるものばかりなので、大変楽しみにしています。
今年も開催にあたり、ご準備していただいた先生方、並びに中医研究会スタッフの方々、誠にありがとうございました。
15期生 湯口展弘
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