第96回中医研究会
皆さん、こんにちは
9月1日(日)、第96回中医研究会が開催されました。
今回の研究会ではまず、何 驍雋先生からの講演、『経絡測定、切脈鍼灸:四部脈』です。
四部脈とは人迎脈(陽明胃)上陽、太淵脈(太陰肺)上陰、衝陽脈(陽明胃)下陽、太渓脈(少陰腎)下陰の4つの脈で全身の陰陽を示しています。
経絡測定では十二経絡の井穴に線香を近づけて熱感を我慢出来なくなるまでの秒数を記録し、
秒数の高いものを実証、低いものを虚証と判別し、対応する臓腑に鍼灸治療を行う方法です。
実技では、実際に時間を測定したうえで実虚を定め、それぞれの経絡に刺鍼を行いました。
施術後に再度、測定したところ見事に変化が確認できました
次に新開 庸雅先生による『乳がん術後上肢リンパ浮腫についての中医学の取り組み』の講義です。
新開先生は中国で中医学・推拿を学ばれ、現在は大阪で推拿の治療院をされています。
当学では天津中医薬大学神戸校の講師として「中医推拿学」「小児推拿」を担当いただいており、
鍼灸科の学生はオプション授業として受講することができます
機能訓練だけではよくならないリンパ浮腫も、中国では中薬や鍼灸、推拿によって軽減させていく事実が
多くの臨床研究にて証明されていることを、教えていただきました。
実技では実際のリンパ浮腫における推拿も手ほどきいただきました
在学中、教えていただいたとはいえ、卒後すっかり忘れていた推拿の手法を改めて思い出した貴重な実技講義でもありました。
乳がんは女性の部位別がんで最も多いとされ、今後、乳がん術後リンパ浮腫で悩まれる方も益々増えていく事と考えられます。
推拿は日本の医師には出来ない技術です。
今回の中医研究会も、将来多くの患者さんにお役立てできる知識と技術を学ぶことができ満足な1日でした
22期生 杉原 孝夫