2年生での実技授業は1年生で習得した基礎を土台とし、

また3年生で行う臨床実習(実技授業の一環として外来患者さんに鍼灸施術を行う)に備えるべく、

より深い内容を学習します。

 

今回は『トリガーポイント療法』の実技授業についてお話します。

トリガーポイントとは、身体各部位の筋肉・腱・靭帯などに形成されるもので、痛みや痺れをはじめとする各種症状の引き金となるポイントです。

トリガーポイントが形成されると、整形外科疾患に留まらず、自律神経の失調症状や目鼻耳の感覚器症状など、さまざまな症状を引き起こします。

トリガーポイント療法は、各種症状の原因となるトリガーポイントを鍼灸や手技により正常な組織へと回復させる治療法です。

 

初回の授業では、まず「トリガーポイントとは何か?」から説明を始め、

どのような症状に対して効果が高いのか、触診の際どのように患者さんに触れるのか、など基本的なことを学びます。

 

次に、ペアを組んだ同級生や自分の体で、実際にトリガーポイントを探していきます。

その日の授業でテーマとなった筋肉や腱を触り、症状を出しそうなトリガーポイントを見つけ、一人ひとりの学生さんの指で触れていきます。

そしてトリガーポイントの形成されている部位と健康な部位との質感の違いを、繰り返し繰り返し確かめていきます。

 

トリガーポイントが形成された筋組織は健康な筋肉とは異なり、以下のような変化を起こします。

1.硬さが増す。

2.硬さはさほど変化せず、組織は水分を多く含んだ質感となる(グミの様なぷにぷにとしたしこり、粘土様の粘り気のある凝りとも表現される。)

 

授業開始当初は、なかなかその質感の違いを認識しにくく、学生さんたちは首をかしげながらのスタートです。

しかし、授業回数を重ねていくうちに、徐々にその違いを実感できるようになっていきます。

そして治療を行うことでトリガーポイントがどのように変化していくかにも、気づくことができるようになります。

このようにして経験を繰り返しながら、いよいよ3年生の臨床実習を迎えるのです。

 

鍼灸治療を行うためには、理論の習得が欠かせないのは言うまでもありませんが、それに勝るとも劣らず重要なことは実際の治療技術の習得です。

そのために、私たち教員が持つ「診察・治療において必要な感覚」を 学生さんに伝えていく努力をこれからも続けていきます。

 

 

人から人へ、手から手へ

 

 

授業担当:川上

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